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October 2007 の記事

imekeyset5 は WindowsMobile5 で日本語の漢字変換に関する操作を
カスタマイズするツールです。たとえば変換に使うキー、文節移動キー、
分節伸縮キー、等を任意のキーに設定することができます。

・ZERO3[es] のテンキー入力時に方向キーだけで漢字変換できるようにする。
 MSIME 利用時でも、ATOK と同じように操作できる。

・外部キーボードをつないでいるときに、カーソルキーを使わないでホーム
 ポジションから変換操作ができるようにカスタマイズする。

・使い慣れたほかの漢字変換エンジンの操作に合わせる。

などといった応用が考えられます。


PC の MS-IME では、コントロールパネルからこれらのキー割り当てを自由に
変更することができました。この機能は WindowsCE にも受け継がれており、
HandheldPC など初期の WindowsCE ではコントロールパネルから同様の
カスタマイズが可能です。

PocketPC になってからこの辺の IME 設定がごっそり削られていて、キー
割り当ての変更もできなくなっています。ただレジストリにはエントリが
存在しており、直接書き換えるときちんと機能します。
単に設定画面としてのインターフェースのみ削られていることがわかります。

imekeyset5 はこの IME のカスタマイズ用レジストリを直接書き換えている
だけです。キー割り当て表を import/export したり、style 選択といった
UI のみ作っています。実際のキー割り当てなど便利な機能は MS-IME が
もともと持っているものです。

そのためマニュアルにも書いていますが、設定が終わったらメモリ節約の
ためにアンインストールしても構いません。設定の変更が必要な時だけまた
インストールして使えば OK です。


今回 EM・ONE が WindowsMobile6 になったので動作確認してみました。
WM6 でも MSIME のバージョンは全く同じ 3.1 で、レジストリのエントリ
も構造も同一なようです。実際に imekeyset5 も動作し、カスタマイズ
できました。
同じ WindowsMobile6 の Advanced W-ZERO[es] (WS011SH) でも同様に動作
すると思われます。

imekeyset5 v1.21


●MSIME に切り替える

EM・ONE や W-ZERO3[es] は ATOK が入っています。WM5/WM6 の ATOK
ではカスタマイズ手段が無さそうなので、キー割り当てを変更するには
まず MSIME に切り替える必要があります。

設定→システム→ATOK設定

で「日本語入力にATOKを利用する」のチェックを外して再起動します。
これで MSIME に切り替わります。


●W-ZERO3[es] 向け設定手順

MSIME の場合、標準状態だとテンキー入力時に漢字変換ができません。
そのためカーソルキーだけで変換操作できるように設定できます。

(1) imekeyset5 を install して起動する
(2) [Phone Style追加] ボタンを押す
(3) 左上の Style 選択、プルダウンメニューから [ Phone ] を選ぶ
(4) すぐ右の [標準にする] ボタンを押す
(5) [EXIT] して リセットボタンを押す


●独自カスタマイズまでの流れ

(1) imekeyset5 を install して起動する
(2) 左上の Style 選択、プルダウンメニューから [ MSIME_PPC ] を選ぶ
(3) [Custom にコピー] を実行して複製する
(4) [Customを出力] でファイルに書き出す (export)
(5) 設定変更
(6) [Customに読込] で書き換えた設定を読み込む (import)
(7) 左上の Style 選択を [ Custom ] に切り替える
(8) [標準にする] ボタンを押す
(9) [EXIT] してリセットする


すでにカスタマイズしてあるファイルを読み込むなら、(4) と (5) を
飛ばして、複製後にすぐ (6) で読み込みます。
実際の設定例のサンプルがいくつか付属しています。

keyset_wm5egg.txt
keyset_wm5egg2.txt

など。

関連エントリ
EMOBILE EM・ONE (S01SH) の α化


以前こちらのエントリで、Bluetooth keyboard RBK-2000BT2 用の
カスタマイズファイル(em1key用)を公開しました。
em1key Bluetooth keyboard RBK-2000BTII の設定 その2

ところがこの設定を使ってカーソルキーのカスタマイズを有効にする
([↑] 位置を [/?] にする)と、ZERO3 や EM・ONE 内蔵キーボードの
カーソルキーも影響を受けます。[↑]が入れ替わってしまいます。

em1key 側の問題なので、カーソルキー部分も内蔵キーボードと外部
キーボードの分離判定を行うように修正してみました。
WindowsMobile 版のみです。

em1key v1.27

これでカーソルキー部分の入れ替えを行っても、本体内蔵のカーソル
キーは影響を受けなくなりました。設定ファイルの変更はありません。


しばらく使っていて気がついたのですが、RBK-2000BT2 では [Fn] との
併用で次のキー操作も使えるようです。

[F11]       [Fn] + [-_]     ファンクションキー
[F12]       [Fn] + [=+]     ファンクションキー
[PageUp]    [Fn] + [↑]
[PageDown]  [Fn] + [↓]
[Home]      [Fn] + [←]
[End]       [Fn] + [→]


またメーカーサイトでは、リュウド純正のキー変更ツール
「Windows Mobile版RBK-2000BTIIサポートソフト Ver.1.0」
が公開されています。
Rboard for Keitai ソフトウエア・ダウンロード
WindowsMobile 上でキーボードの刻印どおりにキー入力できるように
するためのもので、ASCII(英語)配列キーボードになります。

マニュアルを一通り読んでみました。組み込まれている機能を
考えると、一般的な Keyboard Hook を使っているようにみえます。
実際に起動してみるとやはり em1key と共存できませんでした。
[Fn] キーのカスタマイズなどキーボード特有の特殊なことはして
いないので、おそらく asciipatchwm とほぼ同等の置き換えではない
でしょうか。
[Fn]+[←]/[→] のソフトキーへの置き換えは、もともと [Home]/[End]
が割り当てられていたので、それを置換しているだけだと思われます。

逆にキーボードを選ばず動作する可能性があるので、もしかしたらこれも
一般的な ASCII(英語)配列キーボード用の配列補正ツールとして使えるかも
しれません。


関連エントリ
Bluetooth キーボード Rboard for Keitai RBK-2000BT2
em1key Bluetooth keyboard RBK-2000BTII の日本語カスタマイズ例
em1key Bluetooth keyboard RBK-2000BTII の設定 その2