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November 2009 の記事

oga at 18:42
わかる方、自力で何とか出来る方のみ参考にしてください。
すべて自己責任でお願いします。

(1) カーネルをコンパイルできる環境を作る。( 参考1, 参考2 )
(2) module を読み込めるようにカーネルを作る。
 (CONFIG_MODVERSIONS を無効化するなど> 例 Module versioning support を外す)
(3) 作成したカーネルを使って起動出来る環境を作る。
  ・SD カード上に作成
  ・本体フラッシュ (/dev/mtd3) を書き換え
  など

SD 上の debian で起動して insmod だけ確認した後、面倒なので /dev/mtd3 を
置き換えました。壊れても気にしない人のみ。それ以外はお勧めしません。
3Gモデム対応ツールを適用しており、かつ互換性あるカーネルを作っている前提です。
L2.6.28_4.5.1_SDK_Aug2009_source.tar.gz (こちら)を展開して install を実行。
以後メッセージに従う。
入力した展開先フォルダの中の ltib/pkgs の中からアーカイブを参照。

$ tar -zxvf amd-gpu-bin-mx51-4.5.1.tar.gz
$ cd amd-gpu-bin-mx51-4.5.1
$ sudo cp -r lib/module/2.6.28-419-g12a78a3/extra  /lib/modules/2.6.28-15-araneo/kernel/drivers/
$ sudo depmod

ファイルを手でコピー。ここでも気にしないでシステムを置き換えています。
分けるなら /usr/local 以下に配置。

$ sudo cp -r  usr/include/*  /usr/include/
$ sudo cp  usr/lib/*  /usr/lib/
$ sudo mkdir  /usr/local/bin
$ sudo cp  usr/bin/*  /usr/local/bin/
$ sudo /usr/local/bin/gpu-install install

最後の gpu-install でドライバを読み込んでいます。
「sudo /usr/local/bin/gpu-install install 」は再起動の度に必要。
添付のサンプルで動作確認。

$ sudo /usr/local/bin/tiger
$ sudo /usr/local/bin/es11ex

(実行結果の画面) フルスクリーンで起動するので VRAM を破壊します。実害はありません。
最初は ssh などネットワーク経由での実行をお勧めします。

サンプルが動けば動作はうまくいったように見えますが、ドキュメントやサンプル
ソースがあるわけでもないので、実際の使い方はまだまだ手探り状態です。

Display インターフェースは egl なので、初期化は以前 OpenGL ES 2.0 Emulator
を取り扱ったときのコードがほぼそのまま使えます。
AMD 版 GL ES 2.0 Emulator のターゲットがこの Z430 なので当たり前といえば
当たり前です。

OpenGL ES 2.0 Emulator

eglGetDisplay() は EGL_DEFAULT_DISPLAY を使用。

eglChooseConfig() では 4444, 565, 5551, 8888 が使えるようです。
depth は 0, 16, 24 (24+ stencil8) のどれかと組み合わせ。
カラーバッファが 16bit でも 24bit depth を使えます。
バックバッファのフォーマットなので、8888 を指定してもフロントバッファが
32bit になるわけではありません。

eglCreateWindowSurface() で描画と API をバインドしますが、この場合
EGLNativeWindowType に何を指定すればよいのか悩みました。
いろいろ試した結果、/dev/fb0 を渡したら動きました。

EGLNativeWindowType eglwin= open( "/dev/fb0", O_RDWR, 0 );
egl_Surface= eglCreateWindowSurface( egl_Display, egl_Config, eglwin, NULL );

描画のフラッシュと転送は普通に eglSwapBuffers() で動きます。

デバイスファイルにアクセスするため root で実行する必要があります。

フレームバッファは 16bit 1024x600 ですが、倍の容量存在しているのは 32bit
への切り替えを考慮してのことでしょうか。
この辺いろいろとステートを読み出したりしつつ調べている最中です。
例えば EGL_HORIZONTAL_RESOLUTION が 2048 になっている点など、まだ良く
わかっていない部分が多数あります。

描画の印象としてあまり速くありません。eglSwapInterval() に 1 しか設定
できないため、常にモニタのリフレッシュレートと同期している可能性があります。
ただ動作時間が半分ほどで終わってしまい、計算と一致していないのも謎です。
性能はまだ未知数。

取りあえず GLSL のシェーダーを読み込んで、テクスチャの描画まで成功。
シェーダーのコンパイルエラー発生時に、ドライバが詳細なエラーメッセージ(log)
を返してこないのも はまったところです。デバッグは Emulator で行った方が
良いかもしれません。

ヘッダ (GL ES 2.0 の場合)

#include  <EGL/egl.h>
#include  <GLES2/gl2.h>
#include  <GLES2/gl2ext.h>

ライブラリの指定など (Makefile)

CC      = gcc
LIBS    = -lm -lstdc++  -legl13 -lgles20
INCS	=
CFLAGS  = -O4 -Wall \
	-march=armv7-a  \
	-mtune=cortex-a8        \
	-mfloat-abi=softfp      \
	-mfpu=neon      \

TARGET  = main
OBJS    = main.o

$(TARGET): $(OBJS)
	$(CC) -o $(TARGET) $(OBJS) $(LIBS)

%.o:%.cpp
	$(CC) -c -o $@ $< $(CFLAGS) $(INCS)

ARM Cortex-A8 + OpenGL ES 2.0 は iPhone 3GS などハイエンドスマートフォントにも
搭載されています。
比べると NetWalker の良いところはクロス開発しなくてもいいところでしょう。
修正したり設定を変えてテストを繰り返していると、自分でコンパイルできるのは非常に
便利だと実感します。
micro SD 上で作業しているので、開発環境もこの小さい本体だけです。


関連エントリ
NetWalker PC-Z1 i.MX515 OpenGL ES 2.0 (2)
NetWalker PC-Z1 i.MX515 OpenGL ES 2.0
OpenGL ES 2.0 Emulator


oga at 14:34
NetWalker_OpenGLES01.jpg

NetWalker_OpenGLES02.jpg
いろいろ手間取ったけど、何とか動かすことに成功

追記:
Version: 1 3
EGL_CLIENT_APIS: OpenGL_ES OpenVG
EGL_EXTENSIONS: eglCreatePbufferFromClientBuffer EGL_KHR_image EGL_AMD_create_image
EGL_VENDOR: Advanced Micro Devices, Inc
EGL_VERSION: 1.3 Internal version 1.4.1

GL_VERSION: OpenGL ES 2.0
GL_RENDERER: AMD Z430
GL_VENDOR: Advanced Micro Devices, Inc.
GL_SHADING_LANGUAGE_VERSION: OpenGL ES GLSL ES 1.00



関連エントリ
NetWalker PC-Z1 i.MX515 OpenGL ES 2.0


oga at 21:59
見つけたのは自分ではありませんが、このあたりに Linux のソースコードとか
i.MX515 用の OpenGL ES SDK とかいろいろとファイルが追加されているそうです。
Freescale i.MX515 Software & Tools


関連エントリ
NetWalker PC-Z1 ubuntu で ctrla を動かす ([A] キーで Control と両立)


oga at 17:43
久しぶりに NetWalker の情報を探したら、モジュールを作れるようになっているし
キーカスタマイズソフト「窓使いの憂鬱」も動くようになっているとのことです。
かなり便利になってきました。ありがたいことです。

Android Zaurusの日記
 ・NetWalkerのカーネルとローダブルモジュールのビルド

ひとりぶろぐ
 ・[NetWalker]窓使いの憂鬱をNetWalkerで動かす

しかも「窓使いの憂鬱」では [A]キー を Control にする設定まで出来るようです。
これで ctrla を作らなくて済むし、楽が出来る!!
と思って試したら ctrla の動作とはちょっと違いました。少々甘かったようです。

そこで上のページを参考にして uinput.ko を作り、ctrla を NetWalker 本体の Ubuntu
で動くようにしてみました。
Android Zaurusの日記 さん、ひとりぶろぐ さんの記事を参考にさせていただきました。
ありがとうございました。

以下
 ・ctrla の動作の違い
 ・新しい ctrla v1.10
 ・ctrla を NetWalker の Ubuntu で動かすまで

ctrla は、[A] キーを Control キー兼用として用いるためのソフトです。


● ctrla の動作の違い

「窓使いの憂鬱」の "mod control += !!A" の設定では、[A]キー を押している間に
他のキーが押されたタイミングで Control キーと見なしています。

これだけだと、素早く文字入力を行った場合に意図しない Control キーが挿入されて
しまうことがあります。

例えば「会議」と打とうとして "kai" と素早くタイプすると、[A] を離す前に [I]
が押されて Control-I が入ってしまうことになります。

ctrla では連続タイプについていろいろ検証しており、この状態を区別できるように
二つのクロスストローク判定を導入しています。

もしかしたら「窓使いの憂鬱」でも設定次第で実現出来るのかもしれません。
そのような機能がすでにありましたらごめんなさい。


●クロスストローク判定1、遅延判定

"kai" を素早く打つと、下記のように前のキーを離す前に次のキーを押してしまう
ことがあります。

→時間
                 (1)  (2)
---------------------------------------
[K]dw ------ [K]up
         [A]dw ------ [A]up
                 [I]dw ------ [I]up

「窓使いの憂鬱」+ "mod control += !!A" はおそらく (1) のタイミングで判定
しています。これだと Control-I が入ってしまいます。

ctrla では、[A] キーを先に離すと 'A' キーを、[I] を先に離すと Control-I が
入るように判定を遅らせています。
つまり上の例だと (2) のタイミングで 'A' キーを送信します。

下記の例では先に [I] を離しているので (3) のタイミングで Control-I になります。

                   (3)
---------------------------------------
 [A]dw ------------------- [A]up
         [I]dw --- [I]up


●クロスストローク判定2、id による識別

実際に使ってみると、上の「遅延判定」だけでは不十分なことがわかります。
例えば「朝」と高速にタイプしようとすると下記のキーストローク "asa" になります。

→時間
         (4)          (5)
---------------------------------------
[A]dw ------ [A]up
         [S]dw ------ [S]up
                 [A]dw ------ [A]up
---------------------------------------
ID1→            ID2→

[S] を押したタイミング (4) でも、[S] を離したタイミング (5) でも、どちらも
[A] キーが押されているため、単純な遅延判定だと (5) で Control-S が入ってしまいます。

そこで ctrla では、[A] キーを押す度に毎回異なる id 値を割り振るようにしています。
キーを押した時点の id と離した時の id 値が異なる場合は、別の [A] キーとみなして
Control に変換しません。

よって上の例の場合、(5) のタイミングで id が異なるのでそのまま 'S' キーを送信します。


●新しい ctrla v1.10

プログラム ctrla110.tgz

下記の修正を行いました。

 1. NetWalker の Ubuntu (uinput.ko) で動作しない問題を修正
 2. 連続して 1秒以上 [A] キーだけ押し続けた場合、Control とみなす

1. は hook_main.c で構造体がクリアされていないところがあったために、module
として組み込んだ場合に誤動作していました。カーネルに組み込んだ場合はメモリが
0 初期化されているらしく動いていました。(/dev/input/event* で動くのもそのせい)

テキストエディタ上で考え事をしているとき、無意識に Ctrl キーを押しっぱなしに
していることがあります。カーソル移動とか編集操作を一切せずにキーを離すと
'A' キーが入ってしまうことがありました。
そこで [A] を 1秒以上押し続けた場合は Control と見なすようにしました。


● ctrla を NetWalker の Ubuntu で動かすまで

(1) 3Gモデム対応ツールを入れる

NetWalker(PC-Z1) 「3Gモデム対応ツール」

 この更新を行うと無線 LAN 接続でトラブルが起こる可能性が高いので、先に無線LAN
 を off にしておいてください。以前自分でカーネルを build したときに無線 LAN
 が動かなかった症状と良く似ています。

(2) uinput.ko を作る

NetWalkerのカーネルとローダブルモジュールのビルド」の手順をそのまま実行します。

Makefile の修正は「EXTRAVERSION = .10」の行を「EXTRAVERSION = -15-araneo」
に置き換えます。

1時間くらいしてコンパイルが通ったらモジュールを作ります。

$ sudo aptitude install libncurses5-dev
$ make menuconfig

メニューで下記の設定を変更します。
(space キーを押して User level driver support を '<M>' にする )

Input device support --->
  Miscellaneous devices --->
    <M> User level driver support


$ make modules
$ sudo cp  drivers/input/misc/uinput.ko  /lib/modules/2.6.28-15-araneo/kernel/drivers/input/
$ sudo insmod /lib/modules/2.6.28-15-araneo/kernel/drivers/input/uinput.ko

(3) ctrla v1.10 を動かす

$ mkdir $HOME/ctrla
$ cd $HOME/ctrla
$ wget http://dench.flatlib.jp/arfiles/ctrla110.tgz
$ tar -zxvf ctrla110.tgz
$ sleep 1; sudo ctrla/ctrla /dev/input/event5

まずはこの状態で、他のターミナルやソフトでキーの動作を確認してみてください。
万が一キー入力できなくなった場合も、慌てずに USB キーボードつないでください。
外付けキーボードの動作には影響を与えません。


関連エントリ
NetWalker PC-Z1 カーネルのコンパイル
NetWalker PC-Z1 Debian (2)
NetWalker PC-Z1 Debian
NetWalker PC-Z1 [A] キーを Control キーと兼用する実験
NetWalker PC-Z1 Bluetooth とキーカスタムその他