Android 用ゲームパッド BUFFALO Zeemote JS1 H

Android 用のゲームコントローラ Zeemote JS1 H を試してみました。
Zeemote の特徴は Bluetooth によるワイヤレス接続であることと、
通信に HID ではなく SPP を使うことです。
Bluetooth さえあれば Android 2.1 以降のほとんどの端末で使えるようです。

BUFFALO Zeemote JS1 H (BSGPJS1)

見た目はヌンチャクのようですが非常に小さくモーションセンサーはありません。
アナログスティックx1 + デジタル 4ボタンのシンプルな構成です。

●3つのモード

Bluetooth の HID または SPP プロファイルで接続されています。
下記のように 3つの動作モードを持っています。

(A) ポインターモード          HID    マウスエミュレーション
(B) キーボードモード          HID    キーボードエミュレーション
(C) ジョイスティックモード    SPP    専用のジョイスティックモード

電源投入時に押していたボタン (A)~(C) によってモードが決まります。

(A)/(B) は通常の Bluetooth 入力デバイスとして認識されるので、
HID に対応していれば Android に限らず使うことができます。

実際に Windows PC に接続して 3ボタンマウスの代わりに使えました。
キーボードモードではカーソルキーや Enter/ESC として利用できます。

Android の場合 HID 対応デバイスは限られているので、(A)/(B) のモードが
使えるかどうかは端末や OS のバージョン依存となります。

(C) のジョイスティックモードでつなぐには専用の SDK を利用した
Zeemote 対応アプリが必要です。
対応アプリケーションであれば (C) のモードでつながるので HID に
対応していない端末でも使用することができます。

●ペアリング

ペアリングを行う方法は二種類あります。

(1) Android の設定画面で自分でペアリングする
(2) “JS1 Quick Start Application” を使う (Android Market から入手)

基本的には Bluetooth の設定画面でペアリングできます。
固定キー 0000 を入力するだけです。
ただ試したところ、一部の端末では固定キーの入力ができないことが
あるようです。

HTC EVO 3D (ISW12HT) はペアリング時にキー入力画面になりませんでした。
このような場合 (2) の方法が使えます。

 1. “JS1 Quick Start Application” を Android Market からダウンロードして
   インストールする。
 2. Zeemote をジョイスティックモードにする
   (電源を切った状態で (C) を押しながら (D)ボタン長押しで電源を入れる)
 3. “JS1 Quick Start Application” を起動する。
 4.「JS1に接続する」を押す
 5.「ペアリングを自動で行う」にチェックが入った状態で「接続」を押す
 6. もしここでエラーが出たら Manual #3 に変更して接続する。

接続ができたらアプリを終了して構いません。
これでペアリング登録された状態になっています。

●対応アプリケーション

動作テストには上で説明した “JS1 Quick Start Application” 及び
R-TYPE Lite/R-TYPE を使いました。

色々試してみたところ、対応アプリケーション (Zeemote SDK) は
どうやら Bluetooth のペアリング情報を見て判別しているようです。

 1. Bluetooth でペアリングされたデバイスを列挙する
 2. “Zeemote JS1 H” が含まれていればデバイス選択画面を表示し接続を行う

また各アプリが起動後にあらためて Zeemote との再接続を行います。
例えばポインターモードで OS を操作していても、アプリ起動後の再接続を
行ったタイミングで (C) のジョイスティックモードに切り替わります。

●接続してみた端末

手持ちの端末をつないでみました。
(A)/(B) のポインター/キーボードモードが使えるかどうかは端末依存です。
(C) のジョイスティックモードはすべての機種で使うことができました。

Galaxy S2 (SC-02C)      Android 2.3
EVO 3D (ISW12HT)        Android 2.3
Desire (X06HT)          Android 2.2
IDEOS                   Android 2.2
ICONIA TAB (A500)       Android 3.2
Optimus Pad (L-06C)     Android 3.1
LifeTouch NOTE (NA75W)  Android 2.2

●Android 3.x HID と Zeemote

ICONIA TAB A500 Android 3.2 は (A) のポインターモードできちんと
つながります。
マウスカーソルが表示されてタッチの代わりに使えるだけでなく、
B ボタンがバックボタンになるので快適にリモート操作できました。
HDMI で大画面につないだ場合のリモコンとしても使えそうです。

Optimus Pad L-06C Android 3.1 は、マウスカーソルが出るものの
B ボタンがバックとして機能しませんでした。
端末依存なのか OS バージョンによる違いなのかはわかりません。

●ゲームで使った Zeemote

アナログスティックなので 3D 系のゲームに向いているかもしれません。
R-TYPE 等の 2D ゲームでデジタル方向キーの代わりに使った場合は
ストロークの深さが若干気になります。
完全に倒しこまなくても反応するため、ボタンを離したつもりでも
ニュートラルに戻すまでの間よけいに動いてしまうからです。
使っているうちに慣れてきて両手で操作したら微調整しやすくなりました。

外装はすべらないラバー状になっていますがゴミを吸いやすく
剥がれやすいのが気になりました。

●開発者から見た Zeemote

Android 3.1 以降の端末は USB のゲームコントローラに対応しています。
USB Host があれば Xbox360 や PS3 のコントローラをつなぐことが出来ました。
ただ問題もあります。

USB HOST と USB 端子兼用の端末が多く、開発時に USB ケーブルでデバッガを
繋いでいるとゲームコントローラを使うことができません。
そのため気に入っているのが ICONIA TAB A500 で、Micro USB 端子の他に
独立したフルサイズの USB HOST コネクタを備えているのでたいへん重宝しています。

Zeemote は Bluetooth 接続なのでこのような問題が起こりません。
デバッガをつないでいても使えるのは魅力的です。

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